Mantam マンタム 「Po Noc ポノック」

540,000円(税込)

Mantam マンタム 「Po Noc ポノック」

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彼女は生まれた時から抜け殻でガランドウな存在だったがそれは彼女のせいではなかった。
彼女自身自分がいつ生まれたのか知らなかったしいつから今あるようにここにいるのかも理解出来ていなかった。

でも気がついたときには所々漆喰が剥がれ落ち古い木地がのぞいているロココ調の広間に家具や複雑なカタチをした自動演奏機械に埋もれるように置かれていたのだ。

彼女は豚の頭部に漆喰で塗られたガランドウのカラダを持つだけの存在だったがそれでも誰よりも美しい声で唄い他者の悲しみを理解する心を持っていたのでこの家を訪れる多くの客に好かれていた。

やがて彼女の唄と存在は中央の貴族達の知るところとなり秋から次の春にかけての期間は父親につれられて特別仕立ての馬車で外国まで遠征するように なったのだ。

彼女は請われればどんな唄でも唄った。


彼女は一躍人気者となりサロンの寵児となったがそれを良く思わぬものも少なからず存在した。
それは彼女によって唄う場を奪われた歌い手やその関係者たちであり同時に異形のものを受け入れることのできない悲しい人間達だった。

彼女の有り様は本来あるものよりも更に強大に感じられ彼らの憎しみと敵意を日々増大させていた。

そもそも彼女は人でさえないのだ。

言わば便利な自動演奏機械のようなものでそんなものが自分たちの大切な仕事を奪って行くのを許すべきではないと考えるようになったのだ。

彼女を殺すのではない。

余計な機械を壊すだけだ。

新大陸で自動的に鉄道の線路の釘を打つ機械が発明され多くの黒人の仕事を奪おうとした時それと闘って機械を廃棄させた黒人のように我々は我々の権 利を守るのだ

そのすり替えられた思考は談合するたびに歪み徐々に具体的な計画となりある冬の夜それは実行された。





「Po Noc ポノック」の物語の全貌は東口店店頭にてご覧頂けます。



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マンタム

マンタム 田村 秋彦

日本一クレイジーな骨董屋「アウトローブラザーズ」の首領のマンタム。
実験器具や医療器具、動物の剥製や死骸。様々な骨董を自在に操り、オブジェやアクセサリーなど芸術作品を創作する。
映画や、舞台美術、アートなど幅広い分野で活躍するチェコの巨匠、ヤン・シュバンクマイエルと親交が深く、彼の展示が日本であったときには「ヤン・シュヴァンクマイエル氏への逆襲」展を開くほどの仲でもある。
まだこの世に存在していない「カタチ」を求め、Mantamの創作活動は続く。

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